寄生虫列車の考察(連合軍専用列車研究)
個人的に戦後に存在した連合軍専用列車のある列車について調べていて、別でこのことを話す機会があったので、現在調査していることについて一旦まとめようと思い書かせていただきます。
私は元々、戦前・戦後の列車、車両に興味があり今までそれらの模型を作ってきました。
そうすると連合軍専用列車も必然と関係してきて興味があったので多少は調べていました。
そんな時、山梨に帰省した際、たまたま立ち寄った昭和町の杉浦病院さんで館長さんからある話を聞き、この列車を作ってみたくなり本格的に調査することにしました。
その話は、山梨に存在した地方病「日本住血吸虫」の治療法を学ぶためGHQの406医療部隊が特別な列車をしたて米軍の研究者を派遣したという話でした。
この列車は設備を整え車内で研究・調査ができるようになっており、日本の関係者などからは「寄生虫列車」と呼ばれていたということも伺い、食堂つきで3両編成だったということです。
しかし、それ以上の詳しいことは分からず何の車両が使われていたのかは分かりませんでした。
そこで帰宅後早速調べたところ編成の2両はスミ331(2951)とホミ821(2952)ということがわかりました。
この2両は列車のメインとなる研究車で、スミ331(2951)には研究設備が整い、ホミ821(2952)には発電機やジープが乗っており2両一組として使われていました。
残りの1両は、スミ331(2951)の詳細が載っていた鉄道ジャーナル2001年6月号の早坂元興氏の記事に、マイロネ382(1310)が連結されていた、と書いてあります。
これで3両そろいますが、先の杉浦病院で伺った話では、杉浦三郎先生の三女さんは「寄生虫列車」に出入りしており、立派な食堂で食事をしたということでした。
このマイロネ382(1310)は寝台設備のみで他のスミ331(2951)に小さな休憩設備しかなくホミ821(2952)にも食堂はありません。
このことから考えられるのは、
1、マイロネ382(1310)は連結されておらず、別の車が連結されていた。
2、スミ331(2951)・ホミ821(2952)・マイロネ382(1310)以外にもう一両連結されていた。
これはホミ821(2952)が貨車からの改造車なので列車を目撃した人が編成に加えていなかったという説。
3、スミ331(2951)・ホミ821(2952)・マイロネ382(1310)
スミ331(2951)の休憩設備が食堂という説。
以上が考えられる編成になります。
その後、山梨県立博物館で山梨地方病撲滅協力会発行「地方病とのたたかい 2003」に「食堂でくつろぐ 406MGL マクマレン、リッチー、パン」(甲府駅構内にて)横川宗雄氏提供、という写真が載っていました。
しかし、この写真は、鉄道ジャーナル 2001年7月号の早坂元興氏の記事では北海道での撮影されたものとして横川氏のご氏族からいただいたものと記載してあります。
確認のため「地方病とのたたかい 2003」の発行元の山梨地方病撲滅協力会に問い合わせたところ、「写真は横川氏から甲府で撮影したものとして提供された」とのことでした。
こうなってしまうと難しい話になってしまいます。
ちなみに横川宗雄氏は千葉大学医学部の方で予防衛生研究所(現 国立感染症研究所)でも働いており寄生虫病学の権威ある方だそうです。
また、写真が撮られた車輌は特別車の1726~1729のどれかだと私は推測しています。
これは車内の配置図を見たところ写真の構図と同じようになるのではないかと判断したからです。
以上の事から現在、寄生虫列車は4両編成でスミ331(2951)・ホミ821(2952)・マイロネ382(1310)・1726~1729が連結されていたと私は考えています。
今後は決定的な情報を入手するため調査を続行していき、特に1726~1729の運用や配置などの情報、マクマレン氏、リッチー氏、パン(草冠に播)氏、横川宗雄氏の調査をしていこうと思います。
これからも進展があったら書いていこうと思います。
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